香木・香料のはなし -白檀-
白檀
さて、香木・香料のはなしの第二回目のテーマは「白檀」です。
白檀(びゃくだん)は、沈香と並んで有名な香木の一つですが、沈香とは違い、白檀という名の植物が存在し、植物自体が香ります。白檀の生態は、他の植物に寄生し栄養分を吸収しつつ自らも光合成する半寄生植物で、種のみで増殖するという特徴があります。
白檀の香りはほのかに甘さを含む優しい香りで、常温のままでも香ります。香料となるだけではなく、工芸品などの材料としても用いられることがあります。私も南インドを訪れたとき、白檀で彫った仏像や置物を目にしたことがあります。また、沈香はあまり香りが変質することはありませんが、白檀は外気にさらしたままにすると香りが薄れていくので、保存や管理には細心の注意が必要です。
白檀も人工的な植林が難しく、白檀独特の優しい香りが生まれるまでには50年以上の歳月がかかると言われており、とても貴重です。ちなみに植物としてはインドネシアが原産地ですが、古代よりインドのマイソールで産出される老山白檀は最上級の香りを発することで有名です。
白檀の香りは、国や人種、文化の違いを超えて古今東西、万人に愛され、非常にファンの多い香りです。もちろん、梅薫堂でも白檀を使った製品を多数取り揃えておりますので、ぜひともお試しください。