香りのテイスティングのはなし
香りのテイスティング
お線香の選び方に決まりはありません。ご自身に合った選び方で、ご自身の好みに合った香りをお選びいただくのがベストです。ただ、お線香選びにおける香りの嗅ぎ分け(「テイスティング」や「テスティング」ともいいます)にはちょっとしたコツがありますので、是非参考にしてみてください。
まず、自分に合ったお線香を嗅ぎ分けるために、それらから香りが出る仕組みについて押さえておきましょう。
お線香の香りは、火の点(つ)いている部分や煙から出ているのではありません。火の点いている部分の下には炭化して黒くなっている部分があり、この黒い部分の下(火の点いている部分から1~2ミリほど下)の部分から煙が出ます。さらにその下(火の点いている部分から2~3ミリほど下)の部分が熱により温められ、香りが出るのです。
お線香選びで香りをテイスティングする際、お線香の火の点いた部分を鼻に近づけたり、煙を吸い込んだりする方が少なからずいらっしゃいますが、この方法だとお線香が持つ本来の香りが分からない場合があります。
では、どのようにすればよいのかというと、お線香を手に持ち、鼻先から20cm~30cmほどのところを2、3回程度ゆっくり往復させるようにして香りをテイスティングします。
鼻が疲れてくると香りが分からなくなってくるので、そんなときには、外の新鮮な空気で鼻から深呼吸したり、シャワーを浴びたりお風呂に入ったりして水蒸気で鼻をリフレッシュさせるのが効果的です。
また、お線香の香りはお線香が燃え尽きた後もしばらくは部屋に残ります。このような『残り香(のこりが)』を確かめるのも、香りのテイスティング方法の一つだと思います。